よくニュースにて「内水氾濫(ないすいはんらん)」という言葉を聞くかと思います。洪水と何が違うのだろうと思ったことはないでしょうか?内水氾濫とは、堤防内の地域に対して、豪雨などにより排出できなくなった水がたまり、被害を出す現象を指します。気象庁では以下のように定義されています。

「河川の水位の上昇や流域内の多量の降雨など(要因によって湛水型とか氾濫型等の表現も用いる)により、河川外における住宅地などの排水が困難となり浸水すること。」
気象庁 河川、洪水、大雨浸水、地面現象に関する用語 より)

なお、内水とは反対の「外水氾濫(がいすいはんらん)」という言葉もあり、こちらは堤防の決壊などにより水が住宅地に流れ込む現象を指します。

内水氾濫するような土地は、そもそも排水が困難な地域が多く、かつては主に田や畑に利用され、人が住むことがなかったですが、特に高度成長期を境に、内水氾濫するような土地にも人家が形成されたことにより、内水氾濫自体は高度成長期以後に問題視されるようになりました。また、内水氾濫する場所の特徴として、およそ河川の氾濫原でない場所でも発生する可能性があり、たとえば、丘陵の窪みがある土地でも発生します。さらに、最近では極端な雨量が観測される傾向が高くなったため、普段、河川氾濫の心配がない土地でも内水氾濫に対して警戒する必要が出てきています。そのため自治体によっては洪水に対するハザードマップとは別に内水に対するハザードマップを公開しており、内水氾濫に対する注意を促しています。