物流業務で活用される GIS(地理情報システム)
流業務を行う中で「物流の全体最適化・効率の向上」を目指すためには様々な手法がありますが、GIS(地理情報システム) を導入することにより自社が保有するデータと地図データをもとに、「配送ルートの計画」「拠点の配置分析」「配送エリアの管理」「顧客分析」などの解析をすることが可能となります。
物流効率化にむけた GIS 活用 5 選
ここからは、物流分野の可視化・分析において良く活用される GIS 機能のご紹介です。
「ArcGIS 物流ソリューション」を活用することで簡単な操作性でこれから紹介する内容を行うことが可能となります。また、国内での対応はもちろんのこと、グローバルでも同様の可視化・分析が可能です。物流 DX の推進や業務効率化のアイデアに繋がれば幸いです。
1.地図マッピング
自社が保有する物流拠点や営業所、集配先などの場所を地図上に反映する機能です。住所や郵便番号、緯度・経度など、場所を示す情報があれば、一括で取り込むことが可能です。自社拠点と顧客との位置関係の把握には欠かせない基本的な機能となります。
2.エリア集計
顧客や物量の分布の把握には、地図マッピングで行った点(ポイント)の状態では把握しづらいケースがあります。エリア集計を用いることで顧客や物量の分布を把握しやすくなります。集計するエリアの粒度は、市区町村や町丁・字などの行政区画やメッシュ、自社特有の区域など様々な粒度で集計可能です。また、時系列で表現する手段もあるので物量の波動を把握し(人員や車両数などの)リソース計画にも活用することも可能となります。
3.取引の関係性可視化
どの出荷拠点がどの配送先を対応しているのか?出荷明細等を確認することで、把握可能な情報ですが、その関係性を俯瞰的に把握する場合 GIS の活用は非常に有効です。これは調達物流の様な仕入先と生産拠点の様な関係性でも活用可能な機能です。どこからどれぐらいの量をどういう頻度で集配しているのか、その傾向を地理的に把握することで拠点の統廃合や中継拠点の必要性を判断する情報の一助となるでしょう。
4.物流拠点の配置分析
物流拠点の配置を検討するケースは様々です、調達物流における中継拠点の設置検討や、販売物流における出荷店舗と取引先(もしくは消費者)との割当検討など、様々なケースで活用可能な機能です。拠点の配置分析では道路距離・移動時間が最小化される拠点の設置場所や顧客の割当をシミュレーションすることが可能です。また、輸送量による重みづけや、倉庫のキャパシティ、カバー可能範囲などを加味した分析を行うことが出来ます。
「3.」で紹介した現状の関係性と比較することで施策前後での対比、効果の検証を行うこともできるでしょう。
5.集配ルートの分析
物流業務の効率化には欠かせない運行ルートの分析です。複数の集配先をトラック何台でどのような順路で回ると効率的かを算出してくれます。また、算出結果はExcelファイル等、一覧でのリスト出力が可能ですので、その後に配車表等にも活用できるでしょう。
昨今では、共同配送実現に向けたシミュレーションや調達物流におけるミルクラン輸送での活用についてもニーズが高まっている機能です。
集配先の指定時間や軒先での作業時間はもちろんのこと、ドライバーの稼働時間や休憩時間、車両の積載量や方面分けも考慮するといった多彩な分析が可能です。
ArcGIS 物流ソリューション
以上が物流分野の可視化・分析において良く活用されるGIS機能 5 選でした。「ArcGIS 物流ソリューション」では、このような可視化・分析を行える機能に加え、分析結果を他の関係者と共有するソリューションや現場の状況をリアルタイムに共有するソリューションを兼ね備えています。また、ソリューションと併せて使えるデータも豊富に取り揃えております。ご興味がありましたら、「ArcGIS 物流ソリューション」のホワイトペーパーも用意しておりますので(画面右上の「資料ダウンロード」より)ダウンロードしてみてください。