近年、将来的な国内市場の縮小を見越して多くの業種で海外への出店や海外進出が盛んに計画され行われています。商圏分析・エリアマーケティング特化型 GIS ソリューションである ArcGIS Business Analyst には、170 以上の国や地域のデータが搭載されており、商圏分析用のツールとともにすぐに海外での商圏分析を行うことができます。ここでは、クラウド GIS である ArcGIS Business Analyst Web App を利用してアクセス可能な代表的なデータをご紹介します。

各国のデータや詳細な説明は、「企業の海外出店計画を支援!既存海外データを活用した商圏分析の実現」でご覧いただけます。

ArcGIS Business Analyst Web App 上の国または地域セレクター
ArcGIS Business Analyst Web App 上の国または地域セレクター

アメリカ

アメリカの統計情報

アメリカの統計情報は、米国 Esri 社が提供しており 8,000 以上の変数から選択することができます。選択可能な変数カテゴリーは、人口・世帯・年収などの一般的な項目に加え、貧困度や犯罪指数、小売販売額などの項目も含まれています。

アメリカで利用可能な変数カテゴリー(一部)
アメリカで利用可能な変数カテゴリー(一部)

アメリカの区画サイズ

States(州)レベルから最も詳細な区画レベルである Block Groups(国勢調査細分区グループ)まで用意されているため、詳細な統計情報にすぐにアクセスすることができます。下のマップは、サンフランシスコ中心部の人口密度を表したものであり、左下のスケールバーと比較してみても、詳細な粒度で統計データが提供されていることが分かります。

サンプランシスコ中心部の人口密度
サンプランシスコ中心部の人口密度

アメリカの目標物(POI)

全米の目標物(POI)データを搭載しています。カテゴリー別に分かれているため、特定の業種に絞って店舗を抽出することも可能です。また、NAICS コードや SIC コードで特定業種の事業所を抽出することもできます。下のマップは、米国 Esri 社の本社がある Redlands 市周辺のスーパーマーケットを抽出した結果です。

Esri 本社周辺のスーパーマーケット検索結果
Esri 本社周辺のスーパーマーケット検索結果

アメリカの交通量

米国内の履歴交通量が搭載されており、専用の UI から簡単にマッピングすることができます。また、シンボル変更や年度や道路タイプごとにフィルタリングするなどして、必要な情報を素早く確認することもできます。

交通量データ以外にも、ArcGIS Living Atlas of the world 上に登録されている、交通情報マップ(World Traffic Map)を利用することで、米国内では過去の交通情報に加えて、ライブ交通情報や交通インシデントを確認することもできます。

その他、米国内で利用可能なデータについてはヘルプページ(英語)をご参照ください。

タイ

タイの統計情報

タイの統計情報は、Esri Thailand 社が提供しており約 480 の変数から選択することができます。人口や世帯数などの基本的な情報に加え、所得水準や学歴、職業別人口なども確認することができます。提供されているカテゴリーは以下の通りです。

タイで利用可能な変数カテゴリー
タイで利用可能な変数カテゴリー

タイの統計データの詳細は、「タイの商圏分析に役立つデータ」もご覧ください。

タイの区画サイズ

Provinces レベルから Subdistricts レベルまでの 4 つの区画レベルが用意されています。下のマップは、バンコク中心部の人口密度を表したものであり、左下のスケールバーと比較してみても、細かな粒度で統計データが提供されていることが分かります。

バンコク中心部の人口密度
バンコク中心部の人口密度

タイの目標物(POI)

タイの全土の LANDMARK POI を搭載しています。ブランド名やカテゴリーなどから絞り込んで抽出することができます。下のマップは、バンコク中心部で「Convenience Store」カテゴリーで検索した結果を表示したものです。

ドイツ

ドイツの統計情報

ドイツの統計情報は、Nexiga GmbH が提供しており約 300 の変数から選択することができます。人口や世帯数などの基本的な情報に加え、購買力や事業所数なども確認することができます。提供されているカテゴリーは以下の通りです。

ドイツで利用可能な変数カテゴリー
ドイツで利用可能な変数カテゴリー

ドイツの区画サイズ

Postal Zones レベルから Neighborhoods レベルまでの 8 つの区画レベルが用意されています。下のマップは、ベルリン中心部の人口密度を表したものであり、左下のスケールバーと比較してみても、詳細な粒度で統計データが提供されていることが分かります。

フランス

フランスの統計情報

ランスの統計情報は、Esri France 社が提供しており約 400 の変数から選択することができます。人口や世帯数などの基本的な情報に加え、平均世帯年収や貧困度、移民人口なども確認することができます。提供されているカテゴリーは以下の通りです。

フランスで利用可能な変数カテゴリー
フランスで利用可能な変数カテゴリー

フランスの区画サイズ

Regions レベルから IRIS レベルまでの 4 つの区画レベルが用意されています。下のマップは、パリ中心部の人口総数を表したものであり、左下のスケールバーと比較すると、詳細な粒度で統計データが提供されていることが分かります。

オーストラリア

オーストラリアの統計情報

オーストラリアの統計情報は、ABS census 社が提供しており約 850 の変数から選択することができます。人口や世帯数などの基本的な情報に加え、世帯年収や学歴別人口、出身国別人口なども確認することができます。提供されているカテゴリーは以下の通りです。

オーストラリアで利用可能な変数カテゴリー
オーストラリアで利用可能な変数カテゴリー

オーストラリアの区画サイズ

States レベルから Statistical Areas Level 1 レベルまでの 5 つの区画レベルが用意されています。下のマップは、シドニー中心部の人口密度を表したものであり、左下のスケールバーと比較すると、詳細な粒度で統計データが提供されていることが分かります。

インドネシア

インドネシアの人口統計データや区画については、「インドネシアの商圏分析に役立つデータ」をご覧ください。

ベトナム

ベトナムの人口統計データや区画については、「ベトナムの商圏分析に役立つデータ」をご覧ください。

その他の国・地域

提供可能な国・地域

Michael Bauer Research 社が提供する 170 以上の国や地域に対応しています。下記マップの色のついている国・地域では何かしらの統計情報を提供しています。マップをクリックすると対話的に操作可能なアプリケーションが開くため、気になる国や地域に統計データが存在するか確認することができます。

提供可能な統計項目

国や地域ごとに提供可能な項目は異なります。どのような項目が提供されているかを確認するには、以下のデータブラウザからご確認ください。

集計精度向上のための工夫

発展途上国では、詳細な統計データが存在しないなどの理由で、どうしても提供可能な統計データの粒度が荒くなる傾向にあります。そのような地域でも集計精度を向上させる工夫として、米国 Esri 社が用意した衛星画像や道路データから推計した約 250m 間隔の人口データを重みづけに利用して按分処理を実行しています。(日本国内は基本単位区データ、米国内は Block Points を使用して、さらなる高精度な集計を行っています。)
たとえば、下のマップはベトナムのホーチミン周辺の統計情報ですが、白枠が提供可能な最も詳細な区画を表し、紫色の分布が推計人口分布を表しています。同一区画内でも、公園や山林などで人口分布がまばらなエリアを特定し、そのデータを按分時の重みづけに利用することで、区画内の人口分布も加味して、集計精度の向上に役立てています。

道路ネットワーク・ジオコーディング

商圏分析を行う上で、「自動車 30 分圏」のように道路に沿った商圏を作成した方がマーケット規模を正確に推定することが可能になるケースが多くあります。ArcGIS では、クラウド GIS 上で世界各国の道路ネットワークデータを提供しており、「自動車 30 分圏」のような到達圏を作成することができます。さらに、国や地域によっては過去の交通速度を加味したり、ライブ交通速度を加味した到達圏を描いたりすることもできます。国や地域によって整備状況は異なりますので、詳細は ネットワーク解析の有効範囲 をご確認ください。
同様に、住所情報を地図上に展開するための「住所辞書」もクラウド GIS 上で提供されています。こちらも国や地域によって整備状況は異なりますので、詳細は ジオコードの有効範囲 をご確認ください。

 

関連リンク