近年、将来的な国内市場の縮小を見越して多くの業種で海外への出店や海外進出が盛んに計画され行われています。商圏分析・エリアマーケティング特化型 GIS ソリューションである ArcGIS Business Analyst には、170 以上の国や地域のデータが搭載されており、商圏分析用のツールとともにすぐに海外での商圏分析を行うことができます。ここでは、利用可能なデータの種類と国ごとの特徴についてご紹介します。

代表的な国のデータを紹介

企業の海外出店計画を支援!既存海外データを活用した商圏分析の実現」では代表的な国のデータを紹介しています。

代表的な国や地域で使えるデータ

国や地域によって提供可能なデータは異なりますが、代表的な国や地域で利用できるデータを以下にまとめました。

アメリカの統計データ

アメリカ

米国 Esri 社による約 10,000 変数以上のデータを提供します

ベトナムの統計データ

タイ

Esri Thailand 社による約 500 変数のデータを提供します。

タイの統計データ

ベトナム

Michael Bauer Research GmbH による約 120 変数のデータを提供します。

インドネシアの統計データ

インドネシア

Michael Bauer Research GmbH による約 120 変数のデータを提供します。

オーストラリアの統計データ

オーストラリア

Australian Bureau of Statistics による約 850 変数のデータを提供します。

ドイツの統計データ

ドイツ

Nexiga GmbH が提供する約 300 変数のデータを提供します。

フランスの統計データ

フランス

Esri France が提供する約 400 変数のデータを提供します。

香港の統計データ

香港

Michael Bauer Research GmbH による約 120 変数のデータを提供します。

シンガポールの統計データ

シンガポール

Michael Bauer Research GmbH による約 130 変数のデータを提供します。

商圏分析・市場調査に役立つデータ

ArcGIS Business Analyst には、上記の国以外にも商圏分析や市場調査に役立つデータがクラウド上に準備されているため、ユーザーはすぐに多様なデータにアクセスして分析を始めることができます。

人口統計データ

170 以上の国や地域の人口統計データをクラウド GIS 上で提供します。また、国によっては各国の Esri 販売代理店が整備する、より詳細なデータを提供します。下記マップの色のついている国・地域では何かしらの統計情報を提供しています。各国・地域で利用可能な提供項目については、データブラウザーからご確認ください。

world_coverage

 

道路ネットワーク

「自動車 30 分圏」のような商圏範囲を作成するために、ArcGIS では、クラウド GIS 上で世界各国の道路ネットワークデータを提供しています。国や地域によっては過去の交通速度を加味したり、ライブ交通速度を加味した到達圏を描くことも可能です。国や地域によって整備状況は異なりますので、詳細はネットワーク解析の有効範囲をご確認ください。

(左)バンコク中心部の自動車5・10分圏、(右)ジャカルタ中心部の自動車 10 分圏
(左)バンコク中心部の自動車5・10分圏、(右)ジャカルタ中心部の自動車 10 分圏

 

住所ロケーター

住所情報をもとに既存店舗や競合店舗などを地図上に展開するための「住所辞書」もクラウド GIS 上で提供されています。これによりお手元の情報を簡単に地図上に取り込んで分析に利用できます。国や地域によって、整備状況は異なりますので、詳細はジオコードの有効範囲をご確認ください。

店舗情報(目標物)

競合分析に利用できるように世界中の店舗情報もクラウド GIS 上で提供しています。多様なデータソースを利用することができ、国によってはデータ提供者を変更して利用することも可能です。詳細は Introduction to places data—Esri Demographics Regional Data をご確認ください。

タイ中心部でコンビニを検索した結果
タイ中心部でコンビニを検索した結果

 

インフォグラフィックス

商圏内に含まれる人口統計データや店舗データなどをすぐにレポートの形で出力するために、インフォグラフィックス テンプレートを用意しています。また、ArcGIS Business Analyst Web App のライセンス レベルによっては独自のインフォグラフィックス テンプレートを構築することも可能です。

世界各国のインフォグラフィックスの一例
世界各国のインフォグラフィックスの一例

 

背景地図

ArcGIS では多様な背景地図を利用することができます。道路情報を強調したスタイルや主題を引き立たせるためのシンプルなマップ、衛星画像なども利用可能です。

利用可能な背景地図の一例

 

その他データ

ArcGIS Living Atlas of the World では、様々なデータが提供されています。たとえば、世界中の交通速度やインシデントを提供する World Traffic Service や地震や台風・ハリケーンのデータ、大気汚染状況のデータ、アメリカの交通量データなどがあります。これらのデータは、商圏や店舗情報を重ね合わせて分析に利用できます。

世界の交通速度・インシデント
世界の交通速度・インシデント

 

アメリカの交通量データ
アメリカの交通量データ

 

集計精度向上のための工夫

発展途上国では、詳細な統計データが存在しないなどの理由で、提供可能な統計データの粒度が荒くなる傾向にあります。そのような地域でも集計精度を向上させる工夫として、米国 Esri 社が衛星画像や道路データから生成した約 75m 間隔の居住地ポイントや機械学習アルゴリズムに基づいて生成された居住地ポイントを利用して按分処理を実行しています。(日本国内は基本単位区データ、米国内は Block Points を使用して、さらなる高精度な集計を行っています。)
たとえば、下のマップはベトナムのホーチミン周辺の統計情報ですが、白枠が提供可能な最も詳細な区画を表し、紫色の分布が推計人口分布を表しています。同一区画内でも、公園や山林などで人口分布がまばらなエリアを特定し、そのデータを按分時の重みづけに利用することで、区画内の人口分布も加味して、集計精度の向上に役立てています。詳細は ArcGIS Business Analyst による商圏への人口統計の集計方法 (按分方法) をご確認ください。

区画内の人口分布も加味して、集計精度の向上

 

海外商圏分析・市場調査を支援するソリューション

クラウド型の商圏分析 GIS である ArcGIS Business Analyst Web App であればすぐに解析を始めることができます。自社の店舗情報や顧客情報を組み込んだ分析も可能なため、店舗網拡大後も安心してご利用いただけます。
21 日間の無料トライアルもご用意してありますので、お気軽にお問い合わせください。


海外の統計データ

ArcGIS Business Analyst Web App を利用してアクセス可能な代表的なデータをご紹介しています。

海外の統計データについて

 

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