店舗の需要予測や売上予測を行う中で、GIS はデータを分析・集計するための有効なツールになります。売上予測を本格的に行うには、業種や業態、または目的に応じて手段や方法を使い分ける必要がありますが、ここでは GIS を用いた需要予測/売上予測の代表的な例をご紹介します。
ハフモデルの活用
「近くて魅力度の高い店舗ほど顧客を吸引できる」という仮定のもと、競合店や需要地点の位置関係を加味して、消費者が買い物をする確率である「吸引率」を算出する手法をハフモデルといいます。たとえば、下の例では、ある需要地点にいる消費者のうち、店舗 A・B に吸引される確率は距離と魅力度を加味して、それぞれ 40%・60% になります。
ハフモデルの原理を利用して売上予測を行うには、家計調査をベースにエリア別の消費額を推計した「推計消費額データ」を需要データとして利用することが、最も簡単な方法です。さらに、分析結果をレポートとて出力すると意思決定者へ容易に情報提供できるようになります。
重回帰分析でモデルの構築
需要予測を行う際に、売場面積や駐車場台数、商圏人口などの多くの要素を組み合わせて回帰式(予測モデル)を構築する方法です。精度のよい予測モデルを構築するには、複数の指標を吟味して、必要な要素をもとにモデル式を構築する必要がありますが、近年では、需要を最もよく表現する要素の組み合わせを自動的に選択する手法も普及しています。
新規出店時に候補地点に対して需要予測を行うには、構築したモデルに必要な項目を、出店候補地に対して抽出し、その情報を基に需要予測を行います。これらの情報は、出店を検討する際の材料として活用できます。
AI・機械学習を用いたモデル構築
近年、注目を集める AI や機械学習を用いて予測モデルを構築する方法です。需要予測に必要な、店舗情報や商圏情報、それ以外の様々な要素を組み合わせて構築を行います。機械学習の一つである「ランダムフォレスト分析」では、モデルに寄与する変数の重要度を把握することも可能です。
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