地価公示データを活用した地域傾向の把握

国土交通省から毎年公開されている地価公示データが ArcGIS Living Atlas of the World 上に公開されていることをご存じですか?最新の令和3年のデータまで搭載されており、すぐに ArcGIS 上で可視化して、地域的な傾向を把握することができます。
※地価公示は、地価公示法に基づき、標準地の毎年 1 月 1 日時点の正常価格を公示するものであり、一般の土地の取引価格の指標となるものです。全体的な傾向は、国土交通省発表の資料をご覧ください。

地価公示をダッシュボード形式で可視化

ArcGIS Online には、プログラミング不要で設定のみでアプリケーションを構築できるツールが複数搭載されています。たとえば、ArcGIS Dashboards を使用すると、ある範囲内の平均公示価格やその経年変化を簡単に把握できるダッシュボードを構築することができます。マップの色は前年からの変化率を表しており、赤色の地域では地価が上昇傾向にあり、逆に青色の地域では下落傾向にあることが分かります。

地価公示をダッシュボード形式で可視化

地価公示ダッシュボード (arcgis.com)
(地価公示ダッシュボード:画像をクリックすると対話的なダッシュボードが開きます。)

地域ごとの傾向を見ていきましょう。たとえば、福岡市内(特に博多駅周辺)では、地価の上昇が顕著であることが分かります。
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逆に大阪駅周辺では、特に商業地において地価が下落傾向にあることが分かります。このように、マップとチャートが連動するダッシュボードでデータを閲覧すると、簡単にエリアの傾向をつかむことができます。
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地価公示インフォグラフィックス

さらに、そのエリアの人口増減の傾向を組み合わせてみるとどうなるでしょうか。上記のダッシュボードに人口データを組み込んで表示させることもできますが、ここではインフォグラフィックスを活用してみます。
インフォグラフィックスは、ArcGIS Business Analyst Web App で構築できるチャートやマップを対話的に操作できる新しい形の商圏レポートです。下の例では、47 都道府県の代表的な駅周辺の 1km および 2km 圏内の地価公示データおよび人口データを集計して、レポートの形式にまとめています。
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インフォグラフィックスで、博多駅周辺を確認してみましょう。住宅地・商業地ともに前年から上昇傾向にあり、人口も増加傾向にあることが分かります。このように、地価公示データにその他のデータを組み合わせると、さらに地域の特性を深く把握することができます。
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ArcGIS Business Analyst では、上記をテンプレートとして利用して、任意地点の任意の商圏範囲で同様のレポートを作成できます。さらに、必要に応じて、必要なデータを組み込んで、様々なカスタマイズが可能です。カスタマイズの例として、インフォグラフィックスのテンプレート集を公開しています。

ArcGIS 上ですぐに利用可能な Living Atlas of the World 上には、今回紹介した地価公示データ以外にも様々なデータが搭載されています。ESRIジャパンでは、今後もすぐに利用可能なデータを拡充していく予定ですので、どうぞご期待ください。

 

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