GISを活用した物流面の強化により、顧客満足度の向上を図る
多様な製品をタイ全国へ配送
ブンロート・ブリュワリー社はシンハービールに限らずライフやレオ等他銘柄ビール、コメや海藻製品、水なども販売しており、これらの製品はタイ国内で 300 の販売代理店、1 万 6 千の卸売店、20 万の小売店で取り扱われています。
同社はそのうち小売店、ホテル、レストラン、カフェ、オンラインショップなど、11 万 5 千以上の店へ約 1,800 台のトラックで商品を運んでいます。
直面している課題
このように多種製品を全国内に送るにあたって、どのように新技術を使って時間通りに商品を届け、顧客満足度を上げるかといった課題に直面していました。
具体的には、
- 商品が今どこを移動しているかを把握し、顧客の問い合わせに対応する
- 全国内の店をカバーしているか確認する
- 商品の出荷準備ができているか
- ビジネスを簡便化させる
- スムーズな顧客とのやり取りを実現する
これらの問題を解決するために、GIS を導入しました。
4つの取り組み
店舗情報の収集から配送指示、受取署名や配送状況のモニタリングなど、大きく分けて4段階の取り組みを行っています。
① モバイルアプリを開発し、各店舗の場所を調査。店舗名を収集し各店舗で扱う自社製品を紐づける
② オフィスで計画した配送ルートをトラックのドライバーへ送信し、配送先店舗への順路を指示。さらに車両に搭載したブラックボックスで走行状況も追跡可能
③ 配達員用のモバイルアプリで配送する品物の詳細を確認。クーポンのスキャンや受け渡しのデジタル署名もアプリで可能
④ 指令センターではモニターを見て配送・運行状況を確認し、遅延があれば対処を行う。緊急注文の場合は最も近いトラックを検索。発注した店舗は、トラックが近づくと通知を受け取ることができる
生まれた効果と今後の構想
これらの取り組みにより、ブンロート・ブリュワリー社は最適なルート計画でコストを 10% 減、事故発生件数を1.4%低下させることができました。
そしてさらなる改善のために、今後の展開として下記の取り組みを考えています。
- アプリを訓練無しで操作できるように改良
- 国外にまで広げた製品管理を行うために、GIS をビジネスインテリジェンスに統合
- 収集したデータの分析を行い、配達業務の質の改善につなげる
シンハーでは、このように ArcGIS を活用して物流面から顧客満足度を向上させつつ、配送状況の改善によってドライバーの意欲を向上させ、好循環を生み出そうと考えています。