ドイツ家電・電気機器メーカー大手のミーレは、Esri社のロケーション アナリティクス ソリューションを導入し、米国内に展開する販売網の効率化を進めている。同社製品の販促が見込める市場を分析し、特定のセグメントにターゲットを絞ることで販売店の売上げアップを実現している。

ミーレ

ここ数年、GIS は我が社がアメリカ市場を開拓する上で重要なツールとなっている」とミーレ 営業部 シニアビジネスアナリストのマット・キューニィ氏は GIS の導入を評価する。「ある顧客が私たちの商品の一つを購入したからといって、必ずしもライフスタイルを基準としたブランドに合った購買層とは限らない。Esri社のソリューションを使い、傾向の分析や販売店との情報共有を実施することで、顧客のために必要な商品を取り揃えることができるのだ」

ミーレは、ロケーション アナリティクス ソリューションの一つである Esri Business Analyst Online を活用し、販売店の評価と、最適なマーケットセグメントへの販促活動を実現している。地図上に営業情報やビジネスデータを見える化し、販売店と協力して主要なマーケティング活動の立案、分析を行うことで、売上げを伸ばしている。カリフォルニア州オレンジ郡の販売店では、前年比 70% 増の売上げを達成した。さらに、オンラインショッピングにロケーション アナリティクスを応用することで、顧客のニーズの把握と販売店の支援を実施している。「検索エンジンのトラッキングで顧客の最寄りの販売店を割り出し、販売店情報を通知することで、より手軽に買い物をしてもらうことを目指している」とキューニィ氏は言う。

「変化と競争の激しい市場において、ミーレは IT と専門知識を駆使して素晴らしい業績をあげている」と Esri社の民間部門ソリューション担当であるサイモン・トンプソン氏は評価する。「多くの企業が撤退を余儀なくされる環境において、販売店の売上げアップの後押しをしている点が素晴らしい」

ロケーション アナリティクスは、地域の傾向、営業機会を見える化し、小売業者が市場にあった商品やサービスを投入することを可能にする。顧客層、ライフスタイル、ニーズを理解することで、収益の確保と生産性の向上が見込めるのだ。