はじめに
ある物流会社では、広域での配送拠点間の大型トラック運送を業務として行っていますが、広域ゆえに異常気象といった災害リスクが存在していました。
そのため、運送現場において災害リスクにより事故の危険性が高まるときがあるため、リスク検知による注意喚起を行いたいと考えました。
そこで防災気象情報の把握により、リアルタイムな状況を GIS で可視化して、現場管理者・運転者には音声・メールでの通知による注意喚起を実現しました。
輸配送業務 & 管理業務の DX 推進セミナー(2022 年 3 月 24 日開催)
0:46:55 運行管理(リスクの検知)
リアルタイムな防災気象情報の活用事例
– 現場管理者・運転者に運送経路上の災害リスクの危険通知を音声で実施
ArcGIS であれば、リアルタイムで把握できる防災気象情報を活用できます。
リアルタイムな防災気象情報について、ゲヒルン株式会社から防災気象情報(気象庁)を受け ArcGIS で利用可能となっています。なお防災気象情報は当社が提供している防災・減災パッケージ「NADIAct*」でも活用しています。
*「NADIAct」とは、自然災害による企業の損失を最大限低減することを目的として、リアルタイム防災気象情報を連携した、防災・減災のためのクラウド GIS サービスです。
この防災気象情報を、ArcGIS GeoEvent Server や ArcGIS Velocity という製品を利用することで、リアルタイムな状況を GIS で可視化できます。
【システム構成】
例えば運送経路上に大雨注意報の領域がある場合、大雨注意報を GIS で可視化することで運送経路上にある大雨注意報の市区町村を空間検索にて検出することができます。
水色:雨
黄色:大雨注意報
青色:出発点
緑色:到着点
黄色:大型トラック現在地点
赤色:運送経路
検出結果をスマートフォンにメールにて通知して、スマートフォンにインストールしたアプリにて読み上げることで、現場管理者・運転者に音声・メールでの通知による注意喚起ができます。
これにより災害リスクの検知を現場管理者・運転者にすることで、運行管理による事故の危険性の低減につながる対応ができるようになりました。